トレンド•2026年8月25日•5分で読めます
AppleのEU向け新条件は日本・ブラジルと同じモデルに:デベロッパーにとっての意味

要点
- 2026年10月1日より、EUのすべてのデベロッパーがAppleの単一のビジネス条件に移行します。インストール単位のCore Technology Feeは廃止され、App Store外で配信されるアプリはデジタル売上に対して5%のCore Technology Commissionを支払います。
- これは日本(2025年12月)とブラジル(2026年6月)で既に運用されているモデルです。料率表の違いは1ポイント以内です。
- App Storeのコミッションは、Apple In-App Purchaseで26%、自社のアプリ内決済で20%、外部リンク経由で15%に下がります(軽減料率はそれぞれ15%、10%、10%)。決済構成の選択は12か月間固定されます。
- マーケットプレイスの運営やWeb配信にEU法人は不要になります。
8月18日、Appleは欧州委員会と合意したEU向けアプリの新しいビジネス条件を発表しました。施行は2026年10月1日です。2024年にデジタル市場法(DMA)対応として導入された体系(インストール単位の料金、付属文書、段階的な手数料)を終わらせ、Appleが日本とブラジルで既に運用しているコミッション型モデルに置き換えるものです。
10月1日に変わること
今回の変更は、DMAのアンチステアリング規定違反による2025年4月の5億ユーロの制裁金と、手数料を減らすどころか増やした2025年6月の改定を経たものです。新条件の内容は次のとおりです。
- 契約は1つに。Alternative Terms AddendumとExternal Purchase Linkの付属文書は、Developer Program License AgreementのAttachment 14に置き換わります。今すぐ同意でき、10月1日(同意日がそれより後ならその日)から適用されます。
- インストール単位の料金の廃止。年間100万件を超える初回インストール1件ごとの0.50ユーロのCore Technology Fee(マーケットプレイスは1件目から支払っていました)は、代替マーケットプレイスまたはWeb経由で配信されるアプリ内のデジタルコンテンツ・サービスの売上に対する5%のCore Technology Commissionになります。Initial Acquisition FeeとStore Services Feeも廃止されます。
- App Store料率の引き下げ。Apple In-App Purchaseで26%、自社のアプリ内決済プロセッサで20%、外部リンクのタップから7日以内の購入で15%。軽減料率(Small Business Program、Mini Apps/Video Partner Program、2年目以降のサブスクリプション)はそれぞれ15%、10%、10%です。Apple IAPと代替決済を並べて提供できるようになり、選んだ構成は12か月間維持します。
- マーケットプレイス運営のハードル低下。EU法人は不要になります。財務状況は、Dun & Bradstreetの評価、株式上場、ベンチャーキャピタルからの出資、直近の監査で示せるほか、従来どおり100万米ドルの信用状または年間100万件の初回インストールでも構いません。
旧付属文書の下で発生した料金の支払い義務は残ります。5%はユーザーが支払った価格から取引税を除いた額に課され、毎月Appleに報告します。
日本・ブラジルと同じモデル
Appleはこのモデルをまず欧州外で導入しました。日本では、スマホソフトウェア競争促進法が施行された2025年12月にiOS 26.2で、ブラジルでは競争当局CADEとの和解を受けて2026年6月にiOS 26.5で導入されています。EUは3番目の市場です。
| EU(2026年10月1日) | 日本(2025年12月) | ブラジル(2026年6月) | |
|---|---|---|---|
| 代替アプリマーケットプレイス | 5% Core Technology Commission(Web配信も同様) | 5% Core Technology Commission | 5% Core Technology Commission |
| App Store、Apple In-App Purchase | 26%(軽減料率15%) | 21% + 決済処理5% = 26%(軽減料率15%) | 21% + 決済処理5% = 26%(軽減料率15%) |
| App Store、自社のアプリ内決済 | 20%(10%) | 21%(10%) | 21%(10%) |
| App Store、外部リンク(7日間) | 15%(10%) | 15%(10%) | 15%(10%) |
| インストール単位の料金 | なし | なし | なし |
| マーケットプレイス運営者の要件 | 現地法人不要。D&B評価、株式上場、VC出資、監査、100万米ドルの信用状、または100万インストール | 現地法人不要。100万米ドルの信用状、または100万インストール | 現地法人不要。100万米ドルの信用状、または100万インストール |
日本とブラジルはApp Storeの負担を「コミッション21% + 決済処理手数料5%」と表示し、EUは26%という1つの数字で示します。実質的な差は代替のアプリ内決済のみで、EUは20%、他の2市場は21%です。Appleは3つを1つのプログラムとして扱っており、ある市場で提出した信用状は他の市場でも有効で、日本またはブラジルで承認されたマーケットプレイスは10月1日より前にEUで開始できます。
インストール単位から売上単位へ
Core Technology Feeは収益ではなくリーチに課金するものでした。EUで200万インストール、売上ゼロの基本プレイ無料ゲームは、App Store外で配信されるというだけで年間50万ユーロをAppleに支払っていました。新条件では支払いはゼロです。一方、アプリ内売上1,000万ユーロのゲームは50万ユーロを、収益が入るのに合わせて支払います。コストは収益に連動します。デベロッパーが使う他のあらゆるチャネルと同じ仕組みです。
これは私たちが求めてきたことでもあります。2024年3月にAptoideがLeveling the Gameを立ち上げたとき、規制当局への最初の要求はCTFの廃止または大幅な引き下げでした。2年半後、CTFはなくなります。
デベロッパーにとっての意味
- App Storeのみで配信している場合:コミッションは30%から26%に下がり(軽減料率は15%のまま)、EUにはなかった2つの選択肢が加わります。自社のアプリ内決済プロセッサ(20%)か、Apple IAPと代替決済の併用です。
- 既に代替マーケットプレイスで配信している場合:インストール単位のリスクは終わります。デジタル売上の5%を月末から15日以内に報告して支払うだけで、Appleへの支払いはそれ以外にありません。10月1日より前に発生したCTFは引き続き支払いが必要です。
- 3市場のうち複数で配信している場合:1つの計画としてまとめられます。公証(Notarization)は3市場すべてでApp Store Connectを通じて行われ、コミッションは3市場すべてで5%、報告のサイクルも同じです。
変わらないこともあります。AppleはApp Store外で配信されるすべてのアプリを引き続き公証し、Developer Programへの加入を求め、毎月のレポートを受け取ります。より安価で予測しやすいチャネルになりますが、Appleのルールからの離脱ではありません。
Aptoideで配信している場合
Aptoide for iOSは、2024年6月のベータを経て2025年3月からEUのすべてのユーザーに提供されています。SoftBankグループのBBSSと共同で構築した日本向けのゲーム特化型iOSストアAppArenaは、EUがこれから採用するコミッション型モデルの下で2026年3月31日にローンチしました。
私たちのネットワークで配信しているデベロッパーにとって、10月1日に変わるのはコストであり、ワークフローではありません。これまでと同じ公証済みビルドをAptoide for iOSで配信し、Apple側の負担はインストール単位の料金から売上の一律5%に変わります。Aptoide自身のモデルはiOSページに掲載しています。EUで私たちと配信中のゲームは、AppArenaを通じて同じApple条件で日本にも展開できます。ブラジルは6月に開放されました。ロードマップにあれば、ぜひご相談ください。
10月1日までに
- Account HolderがAttachment 14に同意する。新しいツールとエンタイトルメントは、同意済みのアカウントにのみ10月1日にApp Store Connectで表示されます。
- App Storeの決済構成(IAP、自社プロセッサ、外部リンク、またはその組み合わせ)を、12か月間維持する前提で決める。
- インストール単位の見積もりをデジタル売上の5%に置き換えて、配信モデルを再計算する。多くの基本プレイ無料タイトルでは数字が大きく変わります。



